SUN SURF(サンサーフ)はアロハシャツの黄金期とされる1930年代から1950年代にかけて作られた、いわゆる「ヴィンテージ」と呼ばれるレーヨン製アロハシャツを中心に展開するブランド。1970年代に誕生し、創業から資料として収集し続けた数千着にも及ぶヴィンテージのアロハシャツを分析。「アートを着る」と言ってもいいほどプリントのデザインが主役となるアロハシャツにおいて、最大の特徴である鮮やかな発色と深みのある色合いを表現するため、抜染(ばっせん)やオーバープリントといった当時の捺染手法を再現。いまや貴重で入手困難なヴィンテージアロハシャツの魅力をより多くの人々に楽しんでいただけるよう、サンサーフでは各部のディテールにこだわり、数多くの名作を現代に甦らせている。

1. アロハシャツの素材について

いわゆる「ヴィンテージ」と呼ばれるアロハシャツとして最も評価が高いのは、1930年代から50年代に作られたレーヨン製のもの。レーヨンは別名「人絹」と呼ばれ、石油などを原料とした合成繊維ではなく、植物を原料とする天然由来の繊維である。吸湿・放湿性に優れ、肌触りがなめらかなうえに放熱性も高い。常夏の地ハワイの気候に適したシャツといえるだろう。アロハシャツの歴史の中では、他にもシルクや綿、ポリエステルなどの素材も見ることができる。

  • レーヨン羽二重

    レーヨン羽二重(はぶたえ)とは、経糸と緯糸にフィラメントレーヨン(長繊維糸)を使用した平織りの布地。表面にはレーヨン特有の光沢感が表れる。見た目の美しさだけではなく、放熱性が高いため涼しく着心地が良い。

    SS39230 SUNSURF RAYON HAWAIIAN SHIRT “ALL ABOARD” 
  • レーヨン壁縮緬

    レーヨン壁縮緬(かべちりめん)とは、経糸にレーヨン無撚糸、緯糸にレーヨン壁糸を使用した布地で、和柄に比較的多く見られる。表面に凹凸がある素材で清涼感がある。もとは和装用の布地として開発されたもの。

    SS39066 SUN SURF SPECIAL EDITION HAWAIIAN SHIRT “USHIWAKAMARU FIGHTING BENKEI” 
  • レーヨンフジエット

    レーヨンフジエットとは、経糸にフィラメントレーヨン、緯糸にスパンレーヨンを使った平織りの布地。富士絹に似たしなやかさと、レーヨン特有の風合いを併せ持つ。表面の羽毛感もフジエットの特徴。

    DK39235 SUNSURF DUKE KAHANAMOKU SPECIAL EDITION “MORNING GLORY” 
  • 富士絹(シルク)

    富士絹とは、絹の平織りの布地で元来は和装用。1930年代に作られた初期のアロハシャツなどに見られ、プリントはオーバープリントの和柄が中心。 ごく一部、抜染の洋柄もある。

  • ホップサック

    ホップサックとは、経糸は2本引きそろえ、緯糸は1本の平織りの布地。ホップサック(ホップの実を入れる袋)という名前のとおり丈夫で、ざっくりとした素材感が特徴。レーヨン以外にコットンや麻混のものもある。

    SS39275 SUN SURF SPECIAL EDITION HAWAIIAN SHIRT “DIVER” 
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2. アロハシャツのプリント手法

アロハシャツのプリント手法には、大きく分けると「抜染(ばっせん)」と「オーバープリント」の2種類がある。使用する布地やプリントする絵柄のデザイン、色数によって適した手法が選ばれている。

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3. アロハシャツの絵柄とデザインパターン

アロハシャツの絵柄やデザインパターンには、素材やプリント⽅法との相性、そして時代的な移り変わりがある。 アロハシャツ黎明期の1930年代に主流であったパターンが「オールオーバー・パターン」。 そのモチーフのサイズは年⽉を重ねるごとに徐々に⼤きくなっていき、 1940年代後期になると、より派⼿なデザインとして「ボーダー・パターン」の作品が多く⽣み出された。 そしてアロハシャツの最盛期である1950年代には、更に⾃⼰主張の強いデザインとして シャツ⾃体が⼀枚の画のように⾒える「ホリゾンタル・パターン」が⽣まれ、 ⽶国本⼟では「バックパネル・パターン」や 「ピクチャープリント」など、 より強烈なインパクトのあるデザインが作られるようになる。 ハワイならではのミックスカルチャーを象徴する オリエンタル・デザイン(和柄)は、 最初期のアロハシャツやオリエンタルブームが起こった1950年代に多く⾒られた。

  • オールオーバー・パターン

    All Over Pattern(オールオーバー・パターン)とは、シャツ全体に⼀定の柄が繰り返し連続するデザイン。「総柄」とも呼ばれ、⽣地の裁断や縫製の制約が少ないため、古くからスタンダードなパターンとなっている。

    SS39061 SUN SURF SPECIAL EDITION HAWAIIAN SHIRT “HAWAIIAN HOSPITALITY” 
  • ボーダー・パターン

    Border Pattern(ボーダー・パターン)とは、シャツの縦⽅向に柄が連なったデザインで、1940年代後半に登場し50年代に普及した。植物をモチーフにしたものが多く、レイを⾸からかけたようにも⾒える。

    SS39230 SUNSURF RAYON HAWAIIAN SHIRT “ALL ABOARD” 
  • ホリゾンタル・パターン

    Horizontal Pattern(ホリゾンタル・パターン)とは、絵柄の上下を明確に表現したデザイン。名称は縦⻑の⽣地に対して横⽅向(ホリゾンタル)に⾝頃を切り出すことと、柄の中に⽔平線(ホライズン)があることに由来する。

    DK39235 SUNSURF DUKE KAHANAMOKU SPECIAL EDITION “MORNING GLORY” (SHORT SLEEVE) 
  • バックパネル・パターン

    Back Panel Pattern(バックパネル・パターン)とは、背中全⾯を1枚の絵画に⾒⽴てたデザイン。裁断が制限されるうえ⾼度な縫製技術を必要とし、当時の⽣産数も限られていたため希少価値が⾼い。

    SS39275 SUN SURF SPECIAL EDITION HAWAIIAN SHIRT “DIVER” 
  • ピクチャープリント

    Picture Print(ピクチャープリント)は、転写技術が発達する以前、原版の写真をなぞるように網点で型を彫り、その上に⾊を重ね刷りして写真のように⾒せている。熟練の技術を要するデザイン。

  • オリエンタルデザイン

    Oriental Design(オリエンタルデザイン)や「和柄」とも呼ばれるこれらのデザインは、ハワイと⽇本の繋がりの深さを感じさせる。縮緬素材にオーバープリントの作品が多く、⾊のグラデーションを活⽤して動物や⾵景などをリアルに表現している。

    SS39277 SUN SURF SPECIAL EDITION HAWAIIAN SHIRT “CRANE FLY AWAY” 
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4. アロハシャツのボタン

アロハシャツに使われるボタンの種類は実に多彩。ここで紹介した以外にも尿素(ユリア系樹脂)ボタン、アクリルボタン、メタルボタンなどがあり、柄のデザインや地色とのバランスで時に全体のイメージを左右することにもなるディテール。

  • ココナッツボタン

    ヤシの実を削りだして作られる最もポピュラーなボタン。デザインや大きさも多種多様。

    SS39061 SUN SURF SPECIAL EDITION HAWAIIAN SHIRT “HAWAIIAN HOSPITALITY” 
  • バンブーボタン

    繊維の詰まった竹から作られたボタンで磨くと光沢が増す。オリエンタルモチーフと相性が良い。

    SS39066 SUN SURF SPECIAL EDITION HAWAIIAN SHIRT “USHIWAKAMARU FIGHTING BENKEI” 
  • 白蝶貝ボタン

    その名の通り、貝から削りだしたボタン。美しい光沢感が目を惹き、上品な雰囲気を醸し出す。

  • 黒蝶貝ボタン

    白蝶貝と同様、深い輝いを持つ黒蝶貝のボタン。比較的高級なシャツに使用されていることが多い。

  • 練りボタン

    尿素(ユリア系樹脂)に貝の粉末を混ぜた合成ボタン。貝の持つ独特な光沢を放つところが魅力。

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5. KlaxonのおすすめSUNSURFシリーズ

SUN SURF SPECIAL EDITION

楽園ハワイを象徴するアロハシャツ。その発祥には日系移民が深く関わっており、トロピカルな柄だけでなく和柄もヴィンテージとして存在する。ハワイが観光地として確立した20世紀半ばには、土産物としてのアロハシャツの需要が一気に増加。デザインやパターンが多様化し、多くの作品が生まれた。ヴィンテージのアロハシャツを収集する過程で、ごく稀に出会える特別な逸品。時代の流れとともに失われつつあるそれらの名作を生み出したテキスタイルデザイナーに敬意を表し、多色の贅沢なプリントや迫力のデザイン、メーカーや年代によって異なる各部のディテールまでその魅力を余すところなく完全再現する。それがサンサーフのスペシャルエディション。

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STAR OF HOLLYWOOD

1950年代のアメリカに存在し、数年前までは古着関係者か一部のコアなヴィンテージフリークしか知り得なかった幻のブランド。謎が多くいまだに全容は解明されていないが、一度見たら忘れられないほどの強烈なインパクトを持つデザイン、卓越したセンスにより構成される生地やモチーフの配色が特徴。当時の傑作、そして50’sヴィンテージの中でも突出した魅力を持つ作品をベースに、スターオブハリウッドの名に恥じないオリジナルデザインを展開する。

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KEONI OF HAWAII

1996年、我々サンサーフはハワイの服飾史に名を残す伝説のテキスタイルデザイナー「ジョン・メイグス」が存命していることを知る。早速、現地を訪問すると、彼の手元には1940年代に描いた未発表の作品が存在。そのデザイン画をもとに、幻の作品群は「ケオニ・オブ・ハワイ」の名で製品化され、ジョン・メイグスもアロハシャツのデザインを再開。新たなデザインも描き下ろし、ブランドを支えてくれた。しかし、高齢のため年々負担が大きくなり、2001年以降は彼の志に共感するアーティストが作品を手掛けるようになる。

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DUKE KAHANAMOKU SPECIAL EDITION

ハワイの英雄にして伝説のウォーターマン、デューク・カハナモク。競泳のゴールドメダリストであり、サーフィンというスポーツを確立した彼は、その名を冠したブランドを1930年代からスタートし、自らが広告塔となってハワイの文化を世界へと広めた。彼の優れた感性を継承し、現存するデュークブランドの貴重なヴィンテージアロハシャツをもとに、その魅力を完全再現するサンサーフのスペシャルエディション。

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アロハシャツの起源と歴史

1970年代に誕生し、創業から資料として収集し続けた数千着にも及ぶヴィンテージのアロハシャツを分析。「アートを着る」と言ってもいいほどプリントのデザインが主役となるアロハシャツにおいて、最大の特徴である鮮やかな発色と深みのある色合いを表現するため、抜染(ばっせん)やオーバープリントといった当時の捺染手法を再現。いまや貴重で入手困難なヴィンテージアロハシャツの魅力をより多くの人々に楽しんでいただけるよう、サンサーフでは各部のディテールにこだわり、数多くの名作を現代に甦らせている。

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